「安上がり」は大きな誤解！日本の核武装がもたらす巨額コストと国家への代償

え、核兵器って安上がりなの？

国会議員が言うのなら日本もすぐに作って持った方がいいのかな。

なんか揉めてる感じだね。

ざっとまとめるとこんな感じかな。

へぇ～、すごく詳しいね！経済制裁とか日米同盟のリスクとか、考えたこともなかった。でも実際いくらくらいかかるものなんだろう？なんか気になってきた！

ククク…空君、凛君。何を見ているのかね？

ふむ、核武装の話か。実はこの禍怨祟（カオス）博士、かつて「究極の平和維持装置」なるものを開発したことがあるのだよ（遠い目）

ククク…この悪魔の頭脳を持つ禍怨祟（カオス）博士にとってそんなことは造作もないことだ！

萌君！核兵器開発コストに関するデータを集めたまえ！

ご主人様、実はすでに調査済みです。核兵器の保有コストについて、最新のデータをタブレットにまとめました。

まず、核兵器保有には大きく分けて5つのコスト項目があります。

開発費、製造・維持管理費、運搬・発射手段の整備費、安全保障・警備体制費、そして外交的・経済的コストです。

お嬢様、しかし核兵器の保有・維持にはかなりの費用がかかります。それが安全保障に見合うかどうか、まずは実際のコストを確認してみましょう。

萌さん、データをお願いできますか？

はい。世界の核保有9カ国の実際の支出額をご覧ください。核兵器廃絶国際キャンペーン（ICAN）の2025年の調査によると、2024年の核兵器関連支出は1002億ドル、日本円にして約14兆4000億円に上ります。

核兵器の費用は大きく5つに分かれます。

核弾頭の開発・製造コスト、既存核弾頭の維持・更新費用、運搬システム（ミサイル・潜水艦・爆撃機）の開発・維持費、核施設の安全管理・警備費用、そして研究開発費です。

米国だけでも年間568億ドル（約8.2兆円）を支出しています。

その通りです。さらに核兵器システムは10～20年ごとに大規模な近代化が必要になります。

アメリカは今後30年間で約130兆円の近代化計画を進めているほどです。「安上がり」とは程遠い現実です。

いいえ、お嬢様。核兵器は単に作るだけでなく、常に安全に維持管理し、他国の攻撃から守り、時代に合わせてアップグレードする必要があります。特に北朝鮮の例は重要です。

北朝鮮の核開発には国民の犠牲が伴っています。ICANによれば、北朝鮮の核兵器支出は年間約6億3000万ドル（約900億円）ですが、この金額で国民4000万人の飢餓を救えるほどです。実質的に国民の命と引き換えの核開発なのです。

ククク…それでは吾輩が特別に、日本が核武装した場合のシミュレーションを行おう！萌君、研究室へ行くぞ！

この装置で日本が核武装した場合のコストを正確に割り出せるのだ！さあ、スイッチオン！

こほっ、こほっ…

そんなぁ…これも世界の意志というのか…

だが心配するな！結果は出ているぞ！

ご主人様、いつものことながら…

でも、こちらに結果と思しき数字が出ています。実は私も専門家の分析を基に試算をしておりましたので照合してみましょう。

実は防衛大学校の研究者も同様の試算を行っています。日本が仮に独自の核戦力を持つためのコストを検証しましょう。

実際、北朝鮮の核兵器支出は約6億3000万ドル（約900億円）ですが、ICANによれば、この金額で国民4000万人の飢餓を救えるとされています。国民の命と引き換えの核開発です。

実は日本が核武装した場合、金銭的コスト以上に大きな代償を払うことになります。特に重要なのが外交的・経済的コストです。

さすがです。その通りです。

特に日本は海外からのエネルギー輸入に大きく依存しています。原子力協定が破棄されれば、原発用ウランの輸入ができなくなります。国内備蓄は2.35年分ほどしかありません。

美雪様、北朝鮮の国際的な孤立と経済制裁の現状をご存知ですか？

確かに核により一定の発言力を得ましたが、その代償として国民は極度の貧困に苦しんでいます。

ククク…良い質問だ、空君！世界の闇を覗く勇気があるぞ！だが世界の安全保障は単純ではない。イスラエルは核を持っていると言われているが、それでも周辺国から攻撃を受けている。核は万能の盾ではないのだ。

核兵器は確かに強力な抑止力になり得ますが、絶対的な安全を保証するものではありません。むしろ地域の緊張を高め、通常兵器による紛争のリスクを増大させることもあります。

日本の場合、現在の「核の傘」と呼ばれる米国の拡大抑止が機能しています。その抑止力をさらに強化する選択肢として、「核シェアリング」という議論があることをご存知ですか？

実際には少し違います。核シェアリングとは、核をどちらかが単独で保有するのではなく、同盟国の核兵器を共同運用する方式です。NATO（北大西洋条約機構）で採用されていますが、重要な点として、単純に「敵に撃ち返す」だけではない複雑な側面があります。

もう一点、核シェアリングについて触れておくべき重要な事実があります。日本の専守防衛という文脈では、核シェアリングは実質的に「自国の領土に核を落とす」ことを意味します。

これは核シェアリングに限った話ではなく、自主保有であっても専守防衛原則の下では同じことが言えます。

専守防衛とは、他国からの侵略があった場合にのみ防衛力を行使するという原則です。日本が核シェアリングを採用した場合、侵略を受けた日本の領土内での核使用が主な想定シナリオになります。

つまり、日本国内で核爆発が起きることを前提としているのです。

その通りです。表を修正して、この重要な側面も含めておきましょう。

お嬢様、核の是非は単に経済的な問題ではなく、日本の歴史、国際的な立場、そして将来の世代への責任にも関わる問題です。

ククク…吾輩がかつて開発した「究極の平和維持装置」も結局は失敗した。世界の意志は、外からの力による平和より当事者達の対話による平和を選ぶということか…

あれは壮絶に爆発しましたね。

お嬢様、SNSの不具合かもしれませんね。新しい投稿をされてはいかがですか？

今の新たな気持ちを。

素晴らしい投稿ですね、お嬢様。きっと多くの方に共感していただけるでしょう。

くっ…これが世界の意志というのか…

だが次こそは「平和維持冷却制御装置2025」を完成させてみせる！爆発しない平和のための発明だ！

ククク…安心するといい。次こそは爆発はしない！

（小声で）次も爆発するでしょうね。（通常の声で）ご主人様、緊急バリア発生装置と消火器の在庫を確認しておきます。

静馬様、本日の情報検証が完了しました。2025年8月12日現在の情報です。今回は「核武装は安上がり」という主張に関する検証結果をまとめました。

これは実際のコスト分析と一致しない点が多いためです。例えば、初期の核開発費用だけを考慮して「安上がり」と主張していますが、維持費、運搬システム費用、安全管理費、そして最も深刻な経済制裁のコストが完全に無視されています。

さらに、核武装した場合の日米同盟の崩壊リスクや国際的信用の喪失など、金銭換算できない「見えないコスト」も考慮していません。単に「抑止力を得られる」という利点だけで「安上がり」と結論づけるのは、極めて単純化された誤った見方です。

その通りです。核武装に必要な巨額の費用は、必然的に増税や財政赤字の拡大につながります。そして経済制裁による輸出入の減少は、物価上昇や経済成長の鈍化を招き、インフレーションのリスクも高まります。結果として、国民一人一人の生活水準が低下することは避けられません。

例えば、米国の核兵器関連支出は年間約8.2兆円、人口で割ると一人当たり年間約2.5万円に相当します。日本が同規模の核抑止力を持とうとすれば、同様かそれ以上の負担が毎年発生することになります。これは消費税率で言えば2～3%の増税に匹敵する規模です。さらに経済制裁による輸出減少は国内産業に打撃を与え、雇用の減少や給与の低下など、目に見えない形でさらに大きな負担となるでしょう。

ですから、核保有国の年間支出が14兆円以上に上るという客観的データがある中で、「安上がり」と主張することには、データの選択的無視という問題があります。国民生活への甚大な影響を考慮すると、信頼性は35%と評価せざるを得ません。

ところで、博士の「平和維持冷却制御装置2025」の設計図が完成したようです。予想される爆発規模はいかほどでしょうか？

消火器の在庫を増やしておきましょう。それと研究所の保険料…また値上がりしそうですね。

なるほど。「博士の発明=核武装」という比喩ですか。まさに「想定外の爆発的コスト」という点では共通していますね。